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Author:ナカリママ
「無事にね!」は下の子どもの口癖です。その本人のホームページとリンクしています。一般的には子育てを終えている年齢ですが、まだまだ当事者である子ども達から学ぶことばかりの毎日です。

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「ハイパーワールド 共感しあう自閉症アバターたち」
ご訪問ありがとうございます。

今日は、散歩の代わりに、
ナカリのお友達のお母さんに、親子で温水プールに連れていってもらいました。
30分くらい泳いだり水中ウォーキングしたりして、ジャグジーであったまり、
そのあとお昼ご飯を食べて、夕方にはバラ園にも連れていってもらいました。
ちょっとした旅行をした気分で、体も心もほかほかです。

バラ園

もう、お腹いっぱいで、晩御飯が入らないよー。

ということで、書きたかった記事、「ハイパーワールド」の紹介、に取り組んでみます!

バラのつぼみ



著者の池上英子氏の専攻は、歴史社会学、社会理論、文化社会学、ネットワーク論・・・
とのことで、自閉症や福祉分野の専門家ではありません。
でも、
「まったく予想もしていなかった偶然から」「思いもかけず」
「自閉症を研究するようになった」
こと、
そして、
「自閉症の人たちを理解しようとすることは自分自身を知ることにもつながり、
 人間の脳の不思議へと分け入る入口になると強く感じるようになった」
こと、
さらに
「仮想空間の自閉症アバターの語りは、私の常識を揺さぶるような新鮮な驚きに満ちていた」
ことを、
ご自身の具体的な体験を通して、分かりやすい文章で書かれています。


>自閉症の子供もやがて大人になる。
 そして人間の人生で考えると、子供の時代は短く、
 大人の時間の方がずっと長いのだ。



そう!
やっと成人したばかりのナカリにとって、
この先の人生は、ずっと、
大人の発達障がい(自閉症)者として生きていくことになるんだ!
脳の特性をそのまま維持しながら、
この先の人生における生活の質(QOL)をどう上げることができるのか、
何かヒントが得られるだろうか、と期待しながらページをめくりました。


>「アバターはみんな自閉症的だ」

>いまのセカンドライフのテクノロジーでは、
 アバターはまだ顔の表情を自然に表現することができない。
>・・・動きもぎこちなくて、適切なタイミングでのジェスチャー表現ができない。
>現在の仮想空間では、自閉症の人だけでなくアバターみんなが、
 言葉以外の情報が少ないなかで交流しているのだ。


>過剰な情報が引き算された世界

>つまり、セカンドライフの仮想空間としての技術的限界は、
 実は自閉症の人にとっては素晴らしい長所なのだ。

>普通の参加者にとっては、
 現実の社会ではできないことができる夢の足し算の仮想の世界、
 拡張現実だ。
 しかし自閉症の人たちにとっていちばんありがたいことは、
 ・・・実は過剰な情報をフィルターにかけて少なくできることだった。


>知覚過敏と情報の絞り込み

>自閉症的脳を持つ人々は、
 多数派の神経回路の人々によってつくられた価値観や他人を判断する基準
 のなかで生きることを余儀なくされているので、
 定型発達者には想像しにくい大きな困難さに立ち向かっているのだろう。

>一般に同じものを見たり聞いたりしても、
 他人も同じように感じている、あるいは同じように意味をとらえているとはかぎらない。
 同じ言葉の流れを聴いていても、同じように理解しているとはかぎらない。
 そして、同じような感覚をシェアしている人々も、
 その感覚を同じように他者に表現するとはかぎらない。
 自閉症の人々の声に耳を傾けていると、
 この当たり前だけれど、つい忘れてしまいがちな事実に気づかされる。
 そしてそのことは、人としての付き合いのなかで、
 なにかとても大切なことを示しているのではないだろうか。



ここまでが、著者と自閉症との出会いについて語られた部分です。
このあと、自閉症の社会史、がまとめられ、
過剰なる脳内世界、というタイトルで、
仮想空間の自閉症アバターたちの語りが分析されます。

後半部分で心に残ったいくつかの文章を書きぬいてみます。

>「不気味の谷」か「特別視」か―現実社会で苦しむ当事者たち

>「子供の自閉症の程度がノーマルに近づいていくほど、
 イジメられる率が、どんどん上がっていくんだって!」
 「これってさ、ロボット工学で言う『不気味の谷』現象ってやつじゃないの?
 自閉症スペクトラムのなかでもその症状がとても重いと、
 同情されたり共感されたりする。
 でも、一見普通の人と変わらなくて、
 一応普通に行動することを期待されている人間がそれをできないと、
 連中はひどくあたってくることがあるんだ」

>・・・そのあとのチャットの会話は、
 学校でいじめられたときにどう切り抜けたか、
 どう対応したかという体験談で大いに盛り上がった。


ナカリが、学校時代を思い出すのも辛い、と言い切るのは、
嫌だった体験=外された、仲間に入れてもらえなかった、無視された
それによって、心が深く傷ついた、という訴えに外ならない、
彼女もまた、この「谷」に落ち込んだ存在だったんだ、と、
改めて胸が痛みます。
理解してくれる支援者(カウンセラーさんなど)が、少数でも居たことは救いだけれど、
同年代の生徒集団のなかでは厳しい現実に晒され続けていた、
それを、
ほとんどの場合、学校側は「被害妄想」と片づけてきた、
今更に、悔しくもあり、残念なことだけれど、
後に続く後輩たちのためにも、
なんらか、声を上げ続けないといけない気がします。
この視点、親の集まりで後輩たちに、ナカリの作文を代読する際に、
ぜひ伝えておきたいです。


>過剰負荷で自己をコントロールできなくなるメルトダウン

>「僕はメルトダウンした時の自分が好きじゃない。」
 「私だって、メルトダウンした時の自分は、正直嫌いだわ。
 でもそのときに大切なことは、
 メルトダウンしたときの私たちって、
 (本当の自分ではなく)苦痛に対して純粋に本能的な存在でしかない
 (感情に覆われて心と体のコントロールが利かない)のだと、
 知ることだと思う。
 だから、私はどうすればこのメルトダウンを防げるか、
 あるいはそれをできるだけ減らせるかについて、
 考えるようにしているの」

>別のアバターは同じことを「シャットダウン」と言っていた。
 まず、ビジュアルな部分とか一部の感覚が、
 メモリ不足に陥ったときのようにざらついた感じになる。
 ・・・それがひどくなると、
 コンピューターのシャットダウンのように、
 エネルギーがすべて切れたような感じになるのだという。


これも、この間のナカリに重なります。
自分で自分が嫌いになる、でも、それは、本当の自分の姿じゃなくて、
シャットダウンしてしまった状態の自分・・・だから、
全否定しないで、そういう自分の「部分」も含めて、全体としての自分自身を愛そうよ、
そう、今なら話せる気がします。


>ハイパーワールドを生きる強烈な人々

>「思うんだけど、自閉症的な人間はNTよりももっともっと多く
 (『MORE』と彼女は大文字でチャットに書き込んだ)
 世界を経験していると言えないかしら」

>・・・自閉症の人はこれもできないあれもできないという見方になりがちだが、
 仮想空間で遭遇した自閉症の人々が語っていた内面世界は、
 情報を過剰なままに取り込んでいる強烈な脳内景色、ハイパーワールドだった。
 つまり自閉症の人は過剰なまでに強烈に見、聞き、
 そして世界を感じているのかもしれない。

>ハイパーという言葉は一般に「超」とか「過剰」とかいう意味があるが、
 それ自体は価値中立的な言葉だ。

>一般的に、自閉症の人々は脳内の嵐が鎮まり、
 予測が可能な世界のなかで落ち着いた状態にあるときにこそ、
 能力をフルに発揮できる。
 ・・・そうした状態を「箱のなかに入る」と表現するアバターもいた。
 たしかに安全だが、豊かな生活とは言えない。
 予測不安を引き起こすような感覚への過剰負荷を防ぎ、
 自分で感覚の取り入れ方をコントロールできる慣れ親しんだ環境、
 しかも豊かな経験のチョイスがある環境でこそ気持ちが落ち着き、
 本来の能力を育て発揮することができるのかもしれない。
 こうした自閉症フレンドリーな環境を「予測可能で豊かな環境」と表現することもあるが、
 どうすれば予想不安を抑え、落ち着いた環境にできるかは、
 人によってかなり違うことは言うまでもない。


ああ!これ!
この「自閉症フレンドリーな環境」を用意すること、
これを心がけて、一日一日意識的に過ごすことが、
ナカリとの生活の基本原則なんだなあーと、しみじみしました。
そしてさらに、「今のままでいいのか??」という、彼女と私自身との心の揺れ、迷い。
それに対しても、一定の答えを与えてくれたのが、この文章です。


>「普通」の人たちの期待や社会の要求に応えて、
 いかにも自閉症にみえないようにするというような無理なことをしないのがいいのか、
 それとも社会が求めていることを意識して時には自分の枠を超えてみるほうがよい戦略なのか、
 自助グループの人たちが話し合っていたことを思い起こしてほしい。
 「無理」は体に響く。
 だが、豊かな体験がなければ人間は成長しにくい。
 これは一見正反対の生き方に見える。
 しかし実際の生活のなかでは二者択一ではないはずだ。
 いちばん大事な前提は、
 大人になった自閉症スペクトラムの人々自身が
 どのように社会に立ち向かうかの自己決定権を持つこと、
 自分の生き方をコントロールすることだ。
 これは自閉症の人々自身の問題でもあるが、
 それを可能とする条件は、
 自閉症の人々の自己決定権を社会が尊重し、
 彼らの特性が生きる選択をできるような環境を整えることだろう。
 それは結局自閉症の人々への「リスペクト」の問題だ。
 そのうえで、
 個々の自閉症スペクトラムの人々が社会にどう立ち向かうかは
 本人の感覚や心身の条件、環境、そして戦略によるし、
 時と場合で違ってくることもある。


戦略、という言葉が面白いのですが、
とにかく、実践的に、日々生きていく中で、一つ一つ方策を練っていくしかない、
生き抜いていくしかない、というところが、戦い抜く感じで、この表現に納得でした。
「迷い」が一つ吹っ切れて、
がんばろう!と思える文章に出会えたことが、嬉しかったです。

そして、最後に嬉しいまとめ。


>自閉症の人々の感じ方、神経回路の違いからくるモノの見方は、
 社会の大多数の定型発達者にとっては究極の他者かもしれないが、
 だからこそ、
 自分を知るための究極の鏡となりうる。

>自閉症の人々の感じ方やモノの見方は私自身のモノの感じ方と本当に違う。
 それなのに、
 自分のなかにも一部にそれに似た感じ方があることに気づかされたり、
 自分の周りの人を見る目が違ってきたりすることもあった。
 自閉症は障害か個性かという議論があるが、
 私は第一義的には個性だと捉えたい。
 そして、個性というなら、すべての神経回路のスタイルが個性的なのだ。


・・・ですね。
どの人もみんな個性的なのだと、人間に対する見方が深まったことが、
私自身にとっても、我が子との生活のなかでの一番大きな学び、でした。

じっくり読んで、じっくり味わって、現実の生活に生かすことができる本に出会えたこと、
そのきっかけになるNHKの番組を教えてくださったエリアンダーさんに、改めて感謝です。

さあ、明日からも、ナカリとの毎日を楽しく穏やかに過ごしていこう!

今日のNHKFM、ベストオブクラシックのアンコール曲です。
ラフマニノフのヴォカリーズ
今日は、これを聴きながら眠れるかな?



引き続き長い記事を読んでくださってありがとうございました。

今日の猫バンバンは動物病院のブログです。
猫バンバン






読んだ本・文章、見た映画・ドラマ、聴いた音楽 | 22:00:50 | トラックバック(0) | コメント(6)
コメント
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このコメントは管理人のみ閲覧できます
2017-10-27 金 06:55:40 | | [編集]
鍵コメントさんへ
おはようございます。

今日もまた、限りなくコメントしにくい記事に、お言葉をありがとうございました。
ほとんど自分の頭の整理のために書いてみた感じなのに、そこからなにかを感じとっていただけた、と伝えてもらえるだけでも嬉しいです。
不気味の谷現象は、この事例以前から知っていて、マリオはこわくないし、ファイナルファンタジーのキャラクターもカッコいいけど、トイストーリー第一作の人間キャラは何となくこわい、そんな風に、人間に近づいていく途中で、ある一点を超えた途端に不気味の谷に落ち込んでしまう、と理解していました。
なので、周りの子どもたちが娘に対して感じた違和感や困惑、引いてしまう感覚、を理解するヒントになり、腑に落ちたという思いがしました。とても辛かったですが。
私もまとまらないコメントですみません。
お気持ちを伝えてくださってありがとうございました。
2017-10-27 金 07:36:23 | URL | ナカリママ [編集]
小旅行
おはようございます。

昨日は温水プールで水と戯れて、そのあとは薔薇園と
ちょっとした小旅行でしたね。良かったですね。
良い思い出が出来て良かったですね。

ポチ☆
2017-10-27 金 08:02:34 | URL | kaion [編集]
kaionさんへ
おはようございます。

そうなんです、小旅行の一日でした!
友人に感謝です。
体を動かすことって大事ですね。
あと、美味しいものを食べて、美しいものを見る!心身にベストな環境が整って、ナカリも好調を維持できました(*^▽^*)

コメントありがとうございました。
2017-10-27 金 09:35:10 | URL | ナカリママ [編集]
ナカリママさんへ
こんばんは!

プールに入るということは
水着を着るということですね^^;

私はもう水着を着ることは無いです。
着れる人が羨ましいです。
そして、泳げる人はスゴイなぁと
思います。
私はずーっとカナヅチです!

泳げる人も泳げない人も
笑いのツボが違う人も
同じが当たり前なんかじゃなく
ずれているわけではなく
タイミングもそれぞれだから
人それぞれ違うことは不思議でもなくて‥

いろんな個性を大事にしていける
世の中であって欲しいです。

100人いれば100の考えがあり
100の行動があり
100の知恵があり
その中に
当たり前にしなくてはならないことは
100人がそれぞれに幸せであること。

明日も笑って暮らせるよう
笑うための努力は
ずーっとしていきたいなと思います、

私のちょっとズレたコメントも
個性と思ってくださいね!(*´罒`*)
2017-10-30 月 23:18:13 | URL | iomama [編集]
iomamaさんへ
こんばんは。

水着!たしかに、最初買うときは躊躇しましたね~(汗)
スイミングに誘ってくれた、お友達のお母さんが
「水着といってもセパレートでTシャツ&半ズボンタイプのがあるよ」
と、親子で一緒に買いに連れていってくれたので、
娘と二人で試着して、ゆとりのあるのを選びました。

平日お昼時のプールは高齢者や障がい者の方たちが多くて、
水中ウォーキングなんかは、リハビリっぽくて、
泳ぐというより、全身運動をしに行ってる、という感じです♪
機会があれば、きっとiomamaさんもハマりますよ~。

自分で書いておいてなんなんですが、
この記事、ものすごーーーく長いですね(汗×汗)
せめて、何回かに分けて書けばよかったかな・・・

書いてるときは、自分の頭の整理のために、書きたい!と思って、
めっちゃテンション上がった状態で、一気に書いたんですが、
読み直してみて、かなり自分目線のマニアな内容になってますね。
読む人の気持ちを全然考えてない記事なのに、
コメントしてくださったiomamaさんの優しさにウルッときました。
ズレてるなんてとんでもない。
すてきなコメントをありがとうございました!
2017-10-31 火 20:36:41 | URL | ナカリママ [編集]
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